天晴れ西陵ラグビー部
2010 年 9 月 14 日
西陵ラグビー部 初代コーチ
水野 文雄
私が西陵のラグビー部と関わりをもつようになったのは、昭和25、6年頃であったと思います。当時、協会の理事会で横地先生と一緒になった折、夏合宿の練習を見てほしいと要請があり、合宿の計画を樹て、その夏の合宿から部員と共に汗を流したものです。最初の頃は、部員の数もせいぜい20名程度で、スクラムの練習もバックスのメンバーが相手にならなければ組めないような状態でした。
したがって全国大会の予選でも、2、3回戦に進むのがせいぜいでした。このような状態が数年続いた頃から、県大会優勝、全国大会へと道が開かれていきました。しかし公立の商業高校のこと、男子生徒が少なく、部員の数は限られ、メンバー編成には相変わらず苦労があったようです。このような部を率いて発展させていかれたのは何よりも横地先生の功績であります。外から部の様子を見ている者として、横地先生が献身的に努力されていることに、本当に頭が下がりました。
一時期、横地先生が他校へ転出され、その後を佐藤先生が引き継がれた時代もありましたが、横地先生が復帰され再び監督になられました。このような状態ではありましたが、メンバーの中には優秀なプレーヤーが育っていきました。それらが中心となって年ごとに戦力が整い、花園の常連校へと成長していきました。現山田先生へ引継がれるまでの数年間、数多くの優秀なプレーヤーが育ち、東西の大学や社会人チームへ進出、西陵のラグビー部の伝統がつくられていった頃だと思います。
現山田先生が就任されてからは、本当に強いチームへと、着実に力をつけていったようです。しかし男子生徒が少なく、3年間で仕上げていかなければならない状況の中で、山田先生もいろいろと悩まれ、苦しまれたようです。そうしたチームを陰から全面的に支えてこられたのが、幅会長を中心としたOB
会のバックアップでした。このOB会の支えは、どんなにかチームを勇気づけていったことでしょう。
平成9年1月7日、高校ラグビー史上屈指の好勝負で、しかも劇的な逆転、1点差での初優勝は、正に天晴れとしか言いようのない素晴らしいものでした。当時のマスコミが、西陵優勝についてはいろいろと報道されていますので多くは書きませんが、全国高校の頂点に立つということが、どんなにかスゴイことなのか、もう一度改めてその喜びを味わいたいと思います。
最後に、休日も返上、すべてを西陵ラグビーの為に献身されている山田先生始めコーチとして頑張っておられるOBの方に心から敬意を表したいと思います。